ベトナム原発輸出にかんするタイからのメッセージ

(紹介)
彼女は約20年前に、ボランティア交流プログラムで福島県飯舘村に1年間滞在しています。タイの中で、今回の事故と飯舘村の現状に深く心を痛めている方の一人です。現在バンコク在住ですが、お住まいは今回のタイの大洪水で1m以上の浸水が予想されている危険な場所です。昨晩連絡した際には洪水に備えて荷物を2階に上げている最中でした。ここ数週間、自分の家族の避難だけでなく、他のNGOと協力し、水没地域の救援対策にも尽力しています。
(翻訳・文責 メコン・ウォッチ木口由香)

タイからの声明1

メコン河流域国は、今それぞれの発展に努力しています。資源の利用と発展の方向性の選択は、流域内の協力と持続的を考慮した開発にとり、非常に重要な論点となっています。これは、日本も我々と同様に考慮する必要のある点です。ベトナムもタイと同様に急速な経済発展を遂げていますが、際限のない需要の伸びばかりが言われているエネルギーの必要性の見直しを市民社会から求められています。市民は、タイ政府とベトナム政府に持続性のない大規模事業をストップすべきだと要求しています。その一例は、ベトナム政府自身も、利益より問題を国にもたらすだろうと理解している、メコン河に計画されている大型水力発電ダムです。日本で今まさに問題となっている原子力発電事業も、大型ダムと同様に大規模で持続性のないものです。これは、安全面とエネルギーに関する政治的関係において、近隣諸国に強い影響を及ぼします。日本政府が自国に大きな悪影響を及ぼしている原子力技術を輸出することは、日本の国民感情を逆なでするものであ
り、それが援助であると考えるべきものではありません。しかし、この問題を発展途上の地域にもたらそうとしているのです。私は、日本政府が「発展」の名の元に原子力技術を輸出し、私たちの流域にもたらすことを見直し、中断することを求めます。

タイ国NGO
TERRA(Towards Ecological Recovery and Regional Alliances:生態系回復と地域連帯を目指して)
共同代表 プレムルディ・ダオルオン

タイからの声明2

タイでは17か所の原子力発電所計画があり、それぞれの地域で反対するグループができています。私たちは、原子力発電所の影響を追跡しその建設に反対する者として、日本政府の今回の行動に反対いたします。私たちは、福島の事故が日本の技術が安全でないことを示し、かつまだその影響が収まっていない中での今回
の日本政府の行動を、ベトナム周辺国の国民に対するテロ計画にも匹敵すると見ています。日本政府はまだ様々な問題を解決できないでいながら、ベトナムに技術を輸出しようとしています。タイはベトナムから数百キロメートルしか離れていませんが、万が一福島のような事故が起きた際、日本政府や日本の関連企業は
どうされるのでしょうか?私たちは日本政府の原発輸出に反対し、また、日本政府が原子力燃料を用いる発電を見直されることを求めます。

タイ・持続エネルギーネットワーク